映画『スティーブ・ジョブズ』 くだらなかったので感想など

 日本においても、本国に勝るとも劣らない人気を誇るスティーブ・ジョブズ。最近話題を集めている伝記映画の試写会があったので、とあるつてで参加させていただきました。

 iPodを始め、iPhoneやMac BookなどのApple製品が変えてきた世界を目の当たりにしてきたので、期待を胸に会場へと足を運んだのですが、結論から言うと、今年観賞した中でも一二を争う駄作でした。ジョブズの残したiPhoneで、キャンディクラッシュでもやっていたほうが良い時間を過ごせた気すらします。

 物語は2001年のiPodを発表するタイミングから始まり、そこから1970年代のリード大学時代へと時が移ります。アタリでの経験やウォズとの出会いを経て、アップルコンピューターを立ち上げ、Apple IIを生み出し、1984年にはMacintoshを作り上げました。しかしここで彼に転機が訪れ、CEOのジョン・スカリーとの対立からアップルを去ることに。

 と、作品は淡々と進んでいくのですが、そんなことはWikipediaを参照すれば書いてあるわけで、それ以上のものがほとんどありませんでした。ジョブズを知る上で重要なイベントはカバーしつつ、あとは多少脚色して周知の事実をなぞっているだけ。
 ジョブズとウォズの関係についても描写が薄く、ウォズがアップルを退社した経緯についてもなんとなくそれっぽい感じで濁しているように見えました。

 主演のアシュトン・カッチャーはジョブズに非常によく似ていて、彼以外にこの役は務まらないのでは、と思わせるほどジョブズの表面的な特徴は捉えていたように思います。
 ただ、彼はジョブズのふりをしてセリフを喋っているだけで、アイデンティティが見えなかった、そこにジョブズがいなかったことが、この映画最大の欠点でした。

 ジョブズという男の内面に近づけるのではないかと期待して観に行ったのですが、その期待は残念ながら叶えられませんでした。

 公開は11月なのでまだまだ時間がありますが、あまりお勧めできる映画ではありません。期待せずに観に行くと少しは面白いのかも・・・。

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