映画『ファンタスティック・フォー[超能力ユニット]』 レビュー

『スパイダーマン』や『X-MEN』などと並ぶ、マーベルの大人気コミックの一つ『ファンタスティック・フォー』

1961年から連載されており、3度の終了を経て、2012年からはまた新しいシリーズがスタートしている。

『ファンタスティック・フォー』は4名の超能力者の意で、チームリーダーであり、ゴム人間でもある天才科学者のミスター・ファンタスティック、そして彼の妻(映画の設定は元恋人?)であり、自身の体を透明にすることが出来るインヴィジブル・ウーマン、さらに彼女の弟である、空飛ぶ火炎人間ヒューマン・トーチ、最後に元宇宙飛行士の岩石人間、ザ・シングからなるヒーローチームのことである。


映画の感想

『ファンタスティック』には程遠いが、非常に気軽に見ることが出来る単純な作品で、複雑さは微塵も感じさせない、いわゆる王道のエンターテインメントだ。

良し悪しはあるが、全体を通してなんの悩みも感じずに見終わることが出来るのはとても良かった。普段忙しく使っている脳のリソースは1ミリも割く必要がないからだ。

ただ一方で、演技にしろストーリー展開にしろ、やはり安っぽさは否めないところがある。笑えるところや楽しいところはあるが、映画としてのスパークするような見どころは無いに等しかった。

恐らく監督であるティム・ストーリーは、SF作品の監督を務めるに必要な分の想像力を持ち合わせていなかったのだろう。安っぽい脚本をよこした脚本家のせいで、映画は燦燦たる仕上がりになってしまった。

演技に関しても足を引っ張る部分はあったように思える。クリス·エヴァンスは良かったものの、ジェシカ·アルバは酷かった。演出のせいもあるが、科学者としては感情的な面があまりに表に出過ぎており、それも表現しきれていなかった。

ちなみに、子供向けの映画としては非常に良く出来ている。CGは少なくとも平均以上だったし、子供の目には素晴らしい映像に写るだろう。

TSUTAYAで借りるか金曜ロードショーで見る価値はあった。





あらすじ

天才科学者であり、宇宙飛行士でもあるリード(ヨアン・グリフィス)は、宇宙嵐が様々な難病の治療に結びつくカギを握っていることを発見した。

彼は地球に接近しつつある宇宙嵐の観察に行くため、宇宙飛行士仲間のベンと共に、大学時代の友人である実業家ビクター(ジュリアン・マクマホン)に協力をあおぐことに。ビクターは、リードの元恋人で現在は自分の研究所で働いている科学者、スー(ジェシカ・アルバ)を自分のものとするため、リードの計画への出資を決める。

そしてリード、ベン、スー、ビクターと、スーの弟で宇宙飛行士のジョニー(クリス・エヴァンス)の5人は宇宙ステーションへと飛び立った。

しかし、地球に接近していた宇宙嵐はリードの計算よりも早く接近しており、強力な放射線を浴びてしまう。無事に地球へ帰り着いたものの、リードたちの肉体には変化が現れ始めた。

リードの身体は自在に伸縮するようになり、スーは感情が高ぶると身体が透明に、ジョニーは全身を発火させて飛ぶことができるようになっていたのだ。そしてベンは皮膚が岩のように固くなり、その醜い外見のせいで恋人から拒絶されてしまう。

自分たちの身体の謎を解明するため、4人は共同生活を送ることになるが、再びスーがリードに惹かれていることに気付いたビクターは動揺し、リードに憎しみを抱く。負の感情に支配されるビクターにも、思わぬ肉体の変化が現れ始めていた。



作品情報

原題    Fantastic Four
監督     ティム・ストーリー
脚本     マーク・フロスト、マイケル・フランス
原作     スタン・リー、ジャック・カービー
製作     アヴィ・アラッド、ベルント・アイヒンガー、ラルフ・ウィンター
製作総指揮     スタン・リー、マイケル・バーナサン、クリス・コロンバス、ケヴィン・フェイグ、マーク・ラドクリフ
出演者     ヨアン・グリフィズ、ジェシカ・アルバ、クリス・エヴァンス、マイケル・チクリス、ジュリアン・マクマホン
音楽     ジョン・オットマン
撮影     オリヴァー・ウッド
編集     ウィリアム・ホイ
製作会社     20世紀フォックス、マーベル・エンターテインメント、1492ピクチャーズ、コンスタンティン・フィルム
公開     2005年9月17日
上映時間     110分
製作費     $100,000,000
興行収入     $330,579,719

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